宮城道雄の筝曲『春の海』発想の名勝地鞆の浦で迎える初日の出は絶景です。
この鞆の見どころの一つが、往時の賑わいをみせる雁木(がんぎ)の残る鞆港です。港の中央にある高さ七・五米のこの常夜燈は、高さや火袋の寸法などはほぼ元のままですが、もともと鞆の豪商大阪屋が寄進したときは「要害燈籠」と呼ばれていましたので、要害山のふもとにあったものでしょう。
安政年間、港の修復の時にこの場所に再建されたものと考えられます。
百三十年も経って、この常夜燈も土台が崩れて、傾いていたものでしたが、所有者不明で手が付けられませんでしたが、平成元年に海島博があり、付近の修景の必要が生じましたので、この常夜燈も修復されました。
(完)