鍵といっても、鍵にはたくさんの種類があります。 家や自動車のドアを施錠する鍵(キー)、ホテルで使うカードキーなども鍵の一種です。 そもそも「鍵」を使用しないキーレスの施錠タイプもあります。 鍵も時代に合わせ進化しているので、新旧様々なタイプの鍵が存在しています。
現代では鍵は有形から無形へと移り変わっています。 ・スマートキー ・生体認証(指紋・顔・声紋・網膜)など、時代はどんどん変わっています。
鍵には長い歴史があります。 世界最古の鍵と言われているものがエジプト錠と呼ばれる木製の鍵です。 紀元前2000年頃にはすでに使われていて壁画にも残されているそうです。
日本で最も古いと言われている鍵は、飛鳥時代頃から使用された、「海老錠」といわれています。中近東発祥でシルクロード経由にて唐から日本に持ち込まれたものです。 材質は主に鉄製で、エビのようなカタチをしていることから名づけられました。
海老錠の原理を簡単にイラストで説明してみると
海老錠の構造はシンプルな板バネ式で今では考えられないくらい、簡単に開けられてしまうものでした。 そこで、開けにくいカラクリ錠が作られるようになりました。 鍵穴がたくさんあったり隠れていたり、細かくスライドさせたりパズルのような複雑な構造になりました
インドのカラクリ錠にはこんな複雑なものも!! 5本の鍵を使って開錠。1本でもなくなると・・・
日本で鍵づくりが盛んになったのは、江戸時代からだと言われています。 戦国時代が終わって武器の需要が減ってきたため、仕事のなくなった刀鍛冶や武器職人らが錠前を作るようになりました。また武士社会から商人社会となり、富の蓄積するために「蔵」が建並び、それを守るための錠前が重要なものとなりました。 とはいえ今のように一般の家で鍵を掛けることは殆んど無かったようです。
鍵の材料は木材から始まり、金属へと移り変わりました。 金属の中でも鉄から真鍮など銅合金が多く使われるようになりました。 真鍮は切削性が良く、細かい形状を簡単に作れ、滑りがよく、比較的軟らかいため鍵に非常に適した材料とされています。そこへクロムやニッケルメッキをして更に滑りを良くしています。
世界にはいろいろな鍵が!! 今から約2000年前のイスラエルではバスローブのようなトンガと呼ばれる衣服を着ていました。 この服にはポケットが無かったので、貴重な財産を保管している鍵を紛失しないように指輪型の鍵が作られたそうです。
また、インドではお弁当箱にさえ南京錠がついているそうですよ。