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読み物続編 高速増殖炉ってなんだ  2

テーマが大きいかったのか、ネタを引っ張ったのか、前回に続いて高速増殖炉の話です

高速増殖って何でしょう??  ということで、前回は「高速」について書きました

続編の今回は「増殖」についてです

二つ目のキーワード「増殖
 
  高速増殖炉では
    使用済み核燃料に含まれる、20~30%のプルトニウム239に二酸化ウランを混ぜたMOXといわれる燃料を使います。

と前回書きました。
使用済みということなので、普通に考えると”ゴミ=廃棄”を想像してしまいますが、核燃料のゴミは廃棄どころか利用価値が高く、核兵器の原料にもなることをご存知の方もいらっしゃると思います。その核のゴミを平和利用しようというのが高速増殖炉でありプルサーマル発電でもあります。

さて、このプルトニウム239を混ぜたMOX燃料をどのように使うか??ということですが、高速増殖炉の場合は

発電用の熱運搬と炉冷却のために金属ナトリクム液で満たした炉内の中央部にMOX燃料を置き、少量では核分裂を起こさないウラン238を小分けして周囲を覆います。
このウラン238をブランケット燃料と呼びます。

炉心に配置したMOX燃料を燃やした時(核分裂)に出る高速の中性子はさらなる核反応(コラム参照)を起こすとともに、MOX燃料の周囲に配置した「おとなしいウラン238」に衝突します。こうして中性子1個を受け取ったウラン238はズバリ「ウラン239」となり核分裂性物質としての目を覚まします。
ウラン238 ウラン238崩壊中 ウラン239
ウラン238に高速中性子がぶつかり・・・ ウラン239へ
この核分裂によって生まれ変わったウラン239ですが、均衡な状態に中性子が割り込んだわけですから陽子と中性子の数が合わず随分と不安定なので放射線を出しながら安定化しようとします。最終的に落ち着く物質が・・・・・・プルトニウム239なのです。
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【コラム】  さらなる核反応

  核分裂で飛び出した中性子は他の核分裂性物質にぶつかり新しい核分裂がおきます。そこで飛び出した中性子がまた別の・・・・というふうに、この反応が連鎖的に続くことを臨界状態と呼びます。
 

[ 臨界状態 ]を

制御できれば原子炉として平和利用できます

制御できなければ人類滅亡?核兵器

理解状態の炉内?
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さて、ブランケット燃料の中でできたプルトニウム239ですが

燃料として燃やしたプルトニウムの量より増えていれば「増殖」したことになります
 
高速増殖炉は、核反応で発生する熱で発電をしながら、核分裂で飛び出す高速中性子を使って核燃料を作り出す原子炉だったのです。
高速増殖という言葉をそのまま聞くと、「増殖するのが速い」と理解するのが大半かと。
実はそれはマチガイで、正確には「高速中性子を使って燃料を増殖させる」ですかね。
マギラワシイ
核燃料に乏しい日本では頼りになる原子炉ですが、実際に「もんじゅ」が運用運転される予定は2050年。
技術も人も世代交代していませんかねえ・・・

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