普段目にする金属は、水銀などを除いてほとんどが硬く固まった状態です。
では、どうやって金属を溶かすのでしょうか?
色々な方法で溶かすことができますが、一般的な方法を紹介します。
途中で、金属を溶かす話から少し脱線しますが、気軽にお読みください。
溶解炉の周りに銅のコイルを巻きつけて、高周波の交流電流を流すと強力な磁場が発生します。
この影響(電磁誘導で金属に渦電流が発生)で金属の塊は、加熱されて溶かされるのです。
身近にあるIH(インバーターヒーター)クッキングヒーター、IH炊飯ジャーなどはこの原理を利用したものです。
ここで脱線。
非接触ICカードも似たような作用を利用しています。
****ちなみに、ICカードが溶けたりはしません!****
通常のICカードは、装置に取り込み読み取っていますが、非接触ICカードは電池も無く動いています。
読取り装置にかざすと、そこから出る微弱な磁場でICカード内のコイルに電気が発生し、その電気を使って動いています。
*さらに、コイルがアンテナの役目をして読取り装置と通信のやり取りを行っています。
一般的な量を溶かすには、「その1)」のような方法が設備も小さくてできて、溶ける時間も早いのですが、
鉄鉱石から鉄を取り出す製鉄所の様に大量の金属を溶かすのには、効率が悪く不経済です。
溶解する釜の中に、原料となる鉄鉱石とコークスを交互に順番に敷き詰めていき、空気を送り込みながら
燃やしていきます、
鉄鉱石中にあった「鉄分」は鉄鉱石の「岩部分」より重いですから溶けて下に沈みます。
そこで、炉の下部分から鉄が溶け出てくるといった方法を使います。
*コークスは、簡単に言えば石炭を蒸し焼きにした物です。 |